【PICK UP ARTIST】Noya Rao “ひんやり且つソウルフル。UK発の先鋭的ネオ・ソウルバンド”

(画像出典:LOUD AND QUIET)

はじめに

PICK UP ARTIST第6回は、イギリス・リーズ拠点のエレクトロニック・ネオ・ソウルバンド、Noya Rao(ノヤ・ラオ)について紹介します!

先鋭的なアーティストを輩出するUKジャズの重要レーベルであるゴンドワナレコードから昨年デビューアルバム「Icaros」をリリースしたNoya Raoは、その卓越したライブスキルと、冷たくて温かい、古くて新しいサウンドで徐々に注目を集めています。

今回は、彼らの魅力と音楽が盛んなリーズという街、彼らの系譜を辿る上で手がかりとなるアーティストを解説したいと思います!

目次

  1. 冷たい空気とソウルフルな歌声
  2. クラシックからインディーまで -音楽の街リーズ-
  3. ルーツを探る -ジャズ、HIPHOP、エレクトロニカ?-
  4. まとめ

冷たい空気とソウルフルな歌声

Noya Rao – Azimuth

1stアルバム「Icaros」の最初のトラックであるこの曲は、間違いなく彼らの代名詞的な曲でしょう。イギリスや北ヨーロッパの凍てつく空気の様なイントロに包まれると、徐々に透明感のあるエレピで曲の輪郭が現れ、深いリバーブのかかったVo.オリビアのソウルフルな歌声が重なり、その冷たさの中で、対照的に感じられる人の温かみがじわじわと耳から体に染み渡るようです。

曲の雰囲気をそのまま表現したようなMVも必見です。鬱屈とした暗闇と瑞々しい光のコントラストが美しく、幻想的な世界につい見とれてしまいます。

リーズのとある路上の様子(画像出展:wallhere)

余談となりますが、イギリスは年間を通して日本の梅雨の3分の1の降水量が続くほど、雨が多くじめじめとした気候です。(もちろん、地域差はあります。)イギリスや北欧地域の音楽はその気候の影響を受けてか、ひんやりとしていたり、幻想的な世界観の曲が比較的多いと感じます。そういった気候により外の世界が厳しい分、内側では人間としての温かみを求める傾向があるのではないでしょうか。

例えば、北欧インテリアを一例として挙げると、外が暗くて寒い分、家の中は明るい気持ちになる色彩や温かみの感じられる木の家具が多い、といったように精神的な部分で共通点が見出せそうです。そんなことを考えたりすると、この冬の寒い時期に彼らの音楽を聴けば、グッとその世界観に近づけるのではないでしょうか。

Noya Rao – I Feel

もうひとつおすすめの曲を。

先ほどの曲よりも力強いボーカルラインが印象的な曲。シンプルながらも、着実に展開するドラムを中心にキーボード、ベースと4人がグルーヴィーに重なり合うエモーショナルな楽曲となっています。エレクトロの要素が散りばめられた、ひんやりとした空気感はそのままに、Vo.オリビアの芯のある歌声が非常に映えており、人間としての強さ、美しさが感じられます。

クラシックからインディーまで -音楽の街リーズ-

リーズの中心部 (画像出典:TripAdvisor)

イングランドのウェスト・ヨークシャー州にあるリーズは音楽の街として有名です。リーズ音楽大学はイギリス最大の音楽大学として名高く、また、世界的音楽団であるリーズ音楽祭合唱団もこの地で誕生しました。

リーズはパンクロック、インディーミュージックのシーンも盛んで、DIY精神溢れるミュージシャンがひしめいています。数え切れないほどのバンドが存在すること、小さな街であること、リーズ音楽大学があることから、アーティスト同士が気軽にコラボすることは珍しくはないとのこと。

毎年開催されるLeeds Festival(2016)の様子 (画像出典:getty images)

現に、Noya Raoのキーボード兼プロデューサーのトム・ヘンリーはリーズ音楽大学でドラマーのマット・デイヴィスと出会ったことで、他のメンバーの紹介があり、Noya Raoが結成されたとのこと。また、トム・ヘンリー自身も数多のバンドに参加しており、小さな街にひしめくリーズのエネルギッシュさが伺えます。

ルーツを探る -ジャズ、HIPHOP、エレクトロニカ?-

THE GRYPHONのインタビューの中でプロデューサーのトム・ヘンリーは自身の音楽的ルーツについての質問に答えています。

今のスタイルを形成した音楽は

トム・ヘンリーは若い頃にブレイクダンスをしていたこともあり、ヒップホップに熱中してきたそう。リーズ音楽大学では学位を取得したことから、ジャズの影響も大きく、最近はよりエレクトロな要素に惹かれているとのこと。彼が挙げていたアーティストの一人であるShigetoの代表曲を2つ紹介します。

Shigeto – Detroit Part II

Shigetoはアメリカ・デトロイト出身の日系アメリカ人のトラックメイカー。ヒップホップ的な黒さとジャジー且つテクノ調のベースのトラックで脱力感のある雰囲気が心地よい。

Shigeto – Silver Lining

こちらはかなりNoya Raoと相通ずる所が感じられます。浮遊感のある音響に透明感のあるエレピでかなりメロウな仕上がり。後乗りのビートも脱力感満載で、至極のチル・トラックです!

ジャズを学んだ上で惹かれたミュージシャン

Bill Evans, Herbie Hancock, John Coltrane,Robert Glasperらが特に好きとのこと。Robert Glaspherについては、最近のネオ・ソウル風のものよりも初期のヒップヒップとジャズを融合させたものが好みだそうです。とりわけ、ピアニストとしてはBill Evansからの影響が間違いなく大きいそうです。

まとめ

今回はイギリス・リーズからNoya Raoをピックアップしました!

昨今のネオ・ソウルブームの中でも、個性的な存在感を放つ彼らには今後も注目していきたいです。実は、今年の9月にはゴンドワナレコード10周年ワールドツアーの東京公演に参加していたようです。現時点では今後の来日予定はありませんが、是非ともその定評のあるライブ・パフォーマンスを拝見したいところです。彼ら自身も、電子的な要素に人間味のあるサウンドを取り入れることを大切にしているとのことで、次作のレコーディングにも期待が高まります!

最後に

最後まで読んでいただき有難うございました。読者の皆様のリクエストにもお答えしたいと考えておりますので、気になるアーティスト、テーマなどがあれば、CONTACTもしくはp.l.a.n.contactus@gmail.comまでご意見、ご感想を頂ければ幸いです。また、読者様の疑問や質問に答えたいと考えておりますので、投稿へのコメントも大歓迎です。これからも引き続き、よろしくお願いいたします。

<参考>

THE GRYPHON
LOUD AND QUIET

by Hiromu Fukuoka

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